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第1回 修飾シグナル病・若手ワークショップ開催報告
~若手企画による若手の交流を目指した合宿~

領域代表:井上純一郎

平成24年10月3日(水)~5日(金)湯河原温泉にある「ホテルあかね」において第1回 修飾シグナル病・若手ワークショップを開催しました。本領域発足時から「若手育成」は領域の大きな目標であり、その中で私個人としても合宿形態の若手ワークショップは是非とも実現させたい領域活動でした。と言っても、今回私は資金提供という立場でしか役目を果たしておらず、実際に企画、運営は計画班の若手研究者である以下の7名(敬称略)にお願いしました。


ワークショップ企画委員長
斎藤さんの挨拶です。
委員長: 斉藤愛記(山岡班)
委員: 田口祐(井上班)、久保田裕二(武川班)、
後藤栄治(徳永班)、加藤琢哉(高橋班)、
石井亮平(石谷班)、大島大輔(市川班)

 湯河原は、新幹線と在来線を使えばそれほど交通の便も悪くなく、会場のホテルも無線LAN完備の会議室を備えており、加えて露天風呂付きの温泉もありということで申し分無い環境でした。若手発表は39名すべて口頭10分間+質疑応答2分で進行しました。総括班のシニア研究者は基本的に質問せず、若手にすべて任せるということで前もって打ち合わせており、議論が活発に行われるかどうか多少心配していたのですが、そんな心配は全く取り越し苦労で、実際には活発な意見交換が展開しし質疑応答の時間をもう少し長く設定しても良かったぐらいでした。発表自体も良く練られていて明解であり、本領域若手のレベルの高さを改めて認識した次第です。


ホテルに到着後の受付の風景です。

  特別講演は3名の先生にお願いしました。1日目に、本領域計画班員で数理シミュレーションの専門家である市川一寿先生に「細胞シミュレーションの基礎と実際:A-Cellをツールとして」と題して、3次元シミュレーションに関して基礎から説明していただき、その後市川研の若手で企画委員でもある大島くんによる演習指導がありました。全員が自分のPCに市川先生が開発されたソフトウェアーであるA-Cellを予めインストールしておき、当日大島くん指導のもと簡単なシミュレーション方法を学びました。私などは高校のときに学んだ数学を思い出しながらの作業で時間が人並み以上にかかったようです。領域代表として真の異分野連携の難しさを改めて認識にしました。2日目には、大阪大学生命機能研究科教授で新学術領域「遺伝情報場」領域代表の平岡泰先生に「ゲノムの安定保持と継承を支える細胞核の構造基盤」と題して、減数分裂における染色体のダイナミックな制御機構に関する成果を確実なevidenceに基いてご説明いただきました。また、奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科箱嶋敏雄先生には「構造細胞学生物学への展開“何がわかって、何がわかってないのか”」と題して、構造生物学の重要性と面白さを独特な“毒舌”を交え熱く語っていただきました。3人の先生方のご講演は、その内容は異なるものの、そこに至る研究者人生の機微が色濃く表れており、いろいろな意味で若手研究者に影響を与えたと思いました。3人の先生方本当にありがとうございました。この場を借りて御礼いたします。


市川先生、大島くんによる3次元シミュレーションの講習と演習の様子です。

特別講演で話される平岡先生です。

特別講演で話される箱嶋先生です。

 

 3日間を通して若手研究者の発表はすべて素晴らしく、甲乙つけ難いものでした。ただ、さらに若手をencourageする意味で、最後に全員の投票により、4名(敬称略)に以下の通り賞状と盾が授与されました。

最優秀発表賞  吉種 光 (深田班)
 優秀発表賞  原 敏朗 (越川班)
最優秀討論賞  加藤一希 (石谷班)
 優秀討論賞  関根史織 (武田班)

受賞者に授与された盾です。

 

夜遅くまで(ほどほどですが)語りあったり、2日目にはレクリエーションでスポーツをしたこともあり多少疲れましたが、充実した3日間であり、若手育成という観点では、若手が研究面で切磋琢磨し、人的なネットワークを形成するきっかけを得たという意味で大成功であったと自負しています。参加した若手の方が将来「あの湯河原の合宿が----」と懐かしく思い出してくれることを切に願っています。最後に、特別講演の先生方、参加された若手研究者の方々にすばらしい合宿にしていただいたことを感謝いたします。そして、もちろん企画委員の方々には、総括班を代表して深謝いたします。若手の方々は、すぐに実験台に戻って研究に励んでおられると思います。日々の研究こそが最も重要ですので、頑張ってください。また、お会いしましょう。


熱気あふれる会場の様子です。

参加者全員の集合写真です。前列中央やや右に招待講演の箱嶋先生、平岡先生がおられます。