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第2回 修飾シグナル病・若手ワークショップ開催報告
~若手企画による若手のための合宿~

第2回若手ワークショップ実行委員長:野口拓也

 平成25年10月21日(月)~23(水)に伊香保温泉にある「森秋旅館」において第2回 修飾シグナル病・若手ワークショップを開催しました。昨年開催された第1回若手ワークショップは大盛況のうちに終了しましたが、「若手育成」は当領域の大きな柱であることから、若手研究者間での情報交換とより一層の親睦を図るために第2回若手ワークショップを開催する運びとなりました。(写真1)
 伊香保は万葉集にもその名が登場し、戦国時代に温泉街として発展してきた非常に歴史のある街です。この風情溢れる伊香保の地にてお互いを切磋琢磨するのみならず、3日間「同じ釜の飯を食う」ことでさらなる人的ネットワークの形成を目指して、計画班の若手研究者7名で企画・運営を行ってきました。(写真2)


写真1:領域代表井上純一郎先生より開会のお言葉を頂きました。


写真2:始終つたない司会進行ですいませんでした。

委員長: 野口拓也(徳永班)
委員: 田口祐(井上班)、中村貴紀(武川班)、斉藤愛記(山岡班)
加藤琢哉(高橋班)石井亮平(石谷班)大島大輔(市川班)

 実行委員の間で活発な議論を行いプログラムの作成を行ってきました。昨年は質疑応答が活発であったために、質疑応答の時間を長くすることにし、若手研究者33名は、口頭10分間+質疑応答3分で進行しました。しかし、質疑応答が昨年以上に活発で、座長を担当した実行委員は定時進行に苦慮することになりました。(写真3)同時に各発表者の研究の進展が早いことに驚かされ、当領域若手研究者の勢いを強く感じました。非常にレベルの高い発表ばかりでしたので甲乙つけがたくもありましたが、全員の発表が終了した後、投票を行い優秀発表賞および討論賞の選出を行いました。(写真4)


写真3:マイクの前はいつも列ができました。


写真4:最優秀発表者に選ばれた三澤拓馬先生です。

最優秀発表賞: 三澤 拓馬 先生
優秀発表賞: 加藤 琢哉 先生
最優秀討論賞: 中村 貴紀 先生
優秀討論賞: 成島 悠太 先生

 第2回ワークショップの特別講演は、実行委員間で議論を行った結果、東京都医学総合研究所の田中啓二先生にお願いすることにしました。田中先生はプロテアソームの発見・解析において素晴らしい実績を残されてきた先生ですが、今回は「私のプロテアソーム研究 ~成功と失敗の狭間で・・・」というタイトルでご講演して頂き、輝かしい業績の陰に隠れている試行錯誤の経緯、あるいは失敗談まで織り交ぜてお話し頂きました。普段のご講演ではなかなか聞く事のできない貴重なお話が伺えたこともあり、若手参加者はみな、深い感銘を受けていた様子でした。今後の研究進展に大きな刺激となるご講演だったのではないかと思います。お忙しい折に特別講演の演者を引き受けて頂きましたことをこの場を借りて厚く御礼申し上げます。(写真5)


写真5:田中啓二先生による特別講演の様子です。

 さらに、当領域の計画班の先生方にテクニカルセミナーと題した講演をお願いしました。若手参加者にとってより有意義な時間となるように、あらかじめ若手参加者に聞きたい内容や要望等を寄せてもらい、各先生方にはその内容を鑑みて講演して頂きました。市川一寿先生には「がん浸潤初期過程の研究におけるシミュレーションと実験の相互作用」という演題でお話し頂き、細胞生物学におけるモデリング・シミュレーションの現状について具体例を挙げてご紹介頂きました。尾山大明先生には「ショットガンプロテオミクスが解き明かす修飾シグナル」という演題で、シグナル複合体中に含まれる微量シグナル因子群やそれらの翻訳後修飾に関する包括的な解析技術についてお話頂きました。石谷隆一郎先生には「修飾シグナルと構造生物学」という演題で、構造生物学のデータの読み解き方や活用の仕方など、基本的な事象を丁寧に教えていただきました。いずれの講演も異なる分野への親しみが湧くように工夫された内容で、将来における若手研究者間の異分野連携の機運を高めるに十分な講演でした。若手参加者の要望に応えて下さった、市川、尾山、石谷、各先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。(写真6、7、8)


写真6:市川一寿先生によるテクニカルセミナーの様子です。


写真7:尾山大明先生によるテクニカルセミナーの様子です。


写真8:石谷隆一郎先生によるテクニカルセミナーの様子です。

 若手研究者間の活発な交流は、会議室のみならず、夕食後のフリーディスカッションやレクリエーションにまで波及し、閉会式の際にはもはや帰宅するだけの体力しか残っていないくらいにアクティブな3日間でした。若手研究者間の親睦を図り、将来にわたって切磋琢磨し合える仲間を得るという目標は大いに達成できたワークショップであったと考えております。(写真9)


写真9:レクリエーション時のプチハイキングの様子です。

 最後になりますが、本ワークショップ開催においてご支援・ご協力を頂いた井上純一郎先生を始めとする計画班の先生方に深く感謝申し上げます。また、不慣れな運営にも関わらず、素晴らしいワークショップにして頂いた若手参加者のみなさまにも深く感謝いたします。(写真10)


写真10:参加者の集合写真です。