Home > トピックス・イベント > 環境医学研究所市民公開講座2011「癌の新たな治療戦略」
日時: | 平成23年10月15日(土) 13:00~16:30 |
場所: | 名古屋大学 野依記念学術交流館 [アクセス] |
主催: | 名古屋大学 環境医学研究所 |
共催: | 文部科学省 新学術領域研究 「修飾シグナル病」 |
申し込み: | 不要です。直接会場にお越し下さい。 |
受講料: | 無料です。どうぞお気軽にご参加下さい。 |
13:00~13:05 | 開会の辞 環境医学研究所 所長 村田 善晴 |
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13:05~13:10 | ご挨拶 文部科学省 新学術領域研究「修飾シグナル病」領域代表 井上 純一郎 |
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13:10~13:50 |
「大腸がん:早期発見のすすめ 」 山野 泰穂(秋田赤十字病院 消化器病センター 部長) 「大腸がん」では一般的には血便、腹痛、便通異常といった症状が知られていますが、これらは主に進行癌で起こるものです。「初期のがん」や「前がん病変」では症状はほとんどありません。従ってこれらの段階で病変を発見するためには、積極的に検査を受けることが必要です。 「大腸がん」を発見する検査には幾つかありますが、現在の主流は大腸内視鏡検査(いわゆる大腸カメラ)です。この大腸内視鏡の利点は病変を直接見ることができ、細胞を採取(生検)や治療も行える点です。 今回の講演では最新の機器による大腸がんの発見、診断から治療までをお話します。 |
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13:50~14:15 |
「がん化の仕組みと新しい治療薬」 武川 睦寛(名古屋大学 環境医学研究所 教授) 私たちの体は、約60兆個もの細胞で出来ています。がんは、細胞内の特定の遺伝子に傷がつくことによって生じる異常な細胞のかたまりです。がんを引き起こす基となる異常な遺伝子は「がん遺伝子」と呼ばれ、その機能の解析が進められてきました。近年、この様な基礎的がん研究を基盤として、がん遺伝子の作用を選択的に押さえ込む分子標的薬が開発され、新たな抗がん剤として注目されています。本講演では、がん遺伝子発見の歴史を紐解きながら、細胞が癌化する仕組みをお話します。 また、がん遺伝子をターゲットとした新しいがん治療薬開発の現況を紹介します。 |
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14:15~14:25 | 休憩 | |
14:25~14:55 |
「ウイルスとがん」 山岡 昇司(東京医科歯科大学 医歯学総合研究科 教授) 人とウイルスの関係は、みなさんが思っている以上に密接なものです。私たちは、数多くの感染症を起こすウイルスに囲まれて暮らしているばかりでなく、実は遺伝子の中にもウイルスが入り込んだ形跡を多く持っています。さて、ウイルスの中には一度罹ると2度と罹らないものもあれば、体の中に住み着いてしまい長い年月を経てがんを引き起こすものもあります。人のがんのおよそ15%はウイルス感染が原因とされています。この講演では、ウイルスが細胞に感染することによって起こるがんについてお話します。 |
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14:55~15:25 |
「分子標的治療薬による新しいがん治療」 安藤 雄一(名古屋大学 医学部附属病院 化学療法部長) がん医療はどんどん変化しています。抗がん薬治療の分野でも「分子標的治療薬」という新しいタイプの薬が使われるようになり、治療の効果も大きく向上してきました。それでは、この「分子標的治療薬」とは今までの抗がん薬とどう違って、どのような特徴があるのでしょうか。研究室で作られた「分子標的治療薬」が、ヒトのからだのなかで本当に効くのか、安全なのかはどうやって調べるのでしょうか。名大病院化学療法部の例を紹介しながら、新しい分子標的治療薬の早期臨床試験(治験)の特徴やその様子についてお話します。 |
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15:25~15:55 |
「胃がん治療の進歩と未来への挑戦」 渡邉 嘉行(聖マリアンナ医科大学 消化器・肝臓内科 講師) 我が国において「がん」のなかでも「胃がん」と診断される方は非常に多く(罹患率で第1位、死亡数では肺がんに次いで2番目)、依然として優れた胃がんの診断・治療法の開発が求められている状況ですが、健診の普及だけでなく、近未来の新たな診断・治療に「光」が見え始めてきております。その内容をわかりやすく紹介させていただきたいと思います。 |
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